法テラスとは本当に無料?無料相談や費用の立て替えは条件あり!利用法を解説

「法テラスって無料で相談できるんだよね!」と、法テラス=無料で法律相談や弁護士に依頼する費用の立て替えてくれる機関だと思っている方は多いのでは?

しかし、法律に関することが何もかも無料でやってもらえるという訳ではありませんし、無料相談などのサービスを受けるには一定の条件があります。その条件をクリアし審査に通らないと、無料で法律相談はできませんし、費用の立て替えなどのサービスも受けることができません。

今回は、利用条件や審査の必要書類、法テラス利用のメリット、デメリットを詳しくお伝えします。法テラスの条件に該当しない方でもできる、無料相談の方法もご紹介します。

法テラスでは何ができる?業務内容を紹介

法テラスとは「日本司法支援センター」のことで国が設立した法律トラブルの案内所です。

法律問題の困った、どうしよう…という時の「情報提供業務」と「民事法律扶助業務」など行っています。

【情報提供業務】電話すれば困ったを解決!相談先を紹介

  • 誰に相談すればいい?
  • どこに相談すればいい?
  • 解決方法を知りたい

法テラスサポートダイヤル、メール、面談で、適切な解決方法や相談機関(弁護士事務所や司法書士事務所など)の案内を無料で情報提供してくれます。

【サポートダイヤル】0570‐078374
【メール】24時間年中無休で受け付け

【民事法律扶助制度】経済的に厳しい方でも法律問題を解決できる

「民事法律扶助業務を利用すれば、無料になる」と知っている方もいるでしょう。

民事法律扶助業務とは…

  • 弁護士、司法書士の法律相談が無料
  • 裁判所へ提出する書類の費用立て替え
  • 弁護士、司法書士費用の立て替え、分割支払い
弁護士や司法書士の力を借りて問題を解決したくても、経済的な理由で費用を捻出できない時に利用できます。お金がない方のための、法律トラブルを解決する援助と言えます。

費用の立て替え後、月に5,000円からの分割支払いをすることになります。一度にまとまったお金がなくてもいいので、債務整理など借金の問題も解決できますね。

2022年4月から、成人年齢の引き下げにより扶助業務の申し込みや契約も18歳からできるようになりました。

法テラスで無料相談や費用立て替えを受けるには?一定の条件あり

「無料の法律相談や債務整理の費用の立て替えを希望する!」という方は多くいますよね?ですが、「民事法律扶助制度」は誰でも受けられる訳ではないのです。

援助を受けるための条件とは

  • 収入や資産が一定以下
  • 裁判をして解決の見込みがあること(自己破産の免責の見込みなど)
  • 民事法律扶助の趣旨に値すること(他人への嫌がらせや報復など違法行為の相談はダメ)

収入や資産の条件は更に細かく決められている

月の収入は一定額以下に決められています。

  • 単身者…182,000円以下
  • 2人家族…251,000円以下
  • 3人家族…272,000円以下
  • 4人家族…299,000円以下

総資産が一定額以下(不動産、現金、貯蓄、有価証券など)

  • 単身者…180万円以下
  • 2人家族…250万円以下
  • 3人家族…270万円以下
  • 4人家族…300万円以下

また、家賃や住宅ローンを負担していれば、加算できる限度額は以下になります。

  • 単身者…41,000円
  • 2人家族…53,000円
  • 3人家族…66,000円
  • 4人家族…71,000円

法テラスの無料相談や費用の立て替え制度を利用するには、この条件に該当しなければいけません。収入、または総資産が規定よりも上回っている場合は援助されません。

審査のための必要書類とは…

審査を受けるためには収入や財産を証明する書類が必要になります。お住まいの地域の法テラス事務所に提出します。

  • 給料明細
  • 課税証明書
  • 確定申告書のコピー
  • 年金証書
  • 生活保護を受けていれば受給証明書
  • 資力申告書(財産を表すもの)
  • 世帯人数分の住民票
  • 銀行口座情報に関わるもの(口座振替依頼書や通帳のコピー)
  • 事件に関わる種類(借金問題なら、債務者、借入れ情報など)

審査結果は提出からおよそ2週間後になります。よって、借金問題を早急にどうにかしたい!という人には不向きの場合も。

そんな時には、借金相談が無料である弁護士事務所や司法書士事務所に直接相談するほうが借金解決までの日数が早くいく可能性があります。

一度、無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。

生活保護受給者は費用の免除に!そのほか、返済が猶予になる場合とは?

生活保護を受けている方は、自己破産をしても費用の立て替え後、返済は全て免除になります。自己破産の後に、生活保護を受給する方も免除の対象になります。

病気や重度の障がいがあり収入を得られない、65歳以上の高齢者や1人親家庭で収入が乏しなど特別な事情がある場合は、返済の猶予が申請できます。

詳しい情報や申請方法は、法テラスの公式HPで確認できます。

法テラス利用のメリット、デメリットは?無料相談は誰でも受けられない

お伝えしたように法テラス「民事法律扶助業務」は、一定の条件をクリアしないと利用できません。ですが、審査で認めらると以下のメリットがあります。

【メリット】

  • 法律相談は3回まで無料
  • 弁護士費用の立て替え、分割払い(月5,000円から返済OK)
  • 通常より費用を抑えることができる

同一案件、30分3回まで弁護士や司法書士と無料相談ができます。ただし、3回とも同じ弁護士に相談できるとは限りません。

費用の立て替え後、家計に負担にならない低金額での返済ができます。また、法テラスを利用し債務整理を行うと、任意整理の場合は減額報酬が加算されないので費用を抑えることができます。お金がない方の強い味方になってくれます。

【デメリット】

  • 誰でも無料相談や費用の立て替え制度は利用できない
  • 弁護士や司法書士を選べない
  • 審査の期間が長い
繰り返しになりますが、制度の利用には条件があり審査に通らないと無料相談などできません。あくまでも、弁護士費用は立て替えです。通常、弁護士費用が無料になることはありません。

また、希望する専門家を選べないというデメリットもあります。「○○事務所の△△先生に話を聞いてもらいたい!」など希望は叶えられません。債務整理の相談をしたくても、専門外の弁護士が担当という事もあり得ます。

審査期間が2週間、長いと1ヶ月程かかります。早急に解決したい案件(催促や取り立てを止めたい)などの場合は、法テラスを利用せず直接弁護士事務所へ相談に出向いた方が早く解決することもあります。

弁護士事務所や司法書士事務所に借金相談にいきなり行くのは不安という方は、まず自分の借金が「債務整理」をすることで減る、なしにすることができるのかどうかの可能性を、借金減額シミュレーターで調べておくことをおすすめします。

自分の借り入れ状況や返済状況などを入力すれば、借金減額の目安がわかります。実在する事務所のツールであればいつでも利用できますし、お金がかからない無料の借金減額診断であれば安心ですね。

法テラスを利用できない時の対処法とは…

法テラス制度の利用条件が合わず、がっかりする方もいるかもしれません。「無料で専門家へ相談したい!」そんな時は、直接弁護士事務所や司法書士事務所へ相談へ行きましょう。

多くの法律相談では、初回相談無料や借金の相談は何回でも無料など実施しています。事前に、無料相談を行っている法律事務所を探せば無料相談は可能です!

借金や債務整理を得意とする法律事務所は…

  • 着手金無料
  • 分割払い・後払いOK
  • 低料金、追加料金一切なし

上記のように借金を抱える方に寄り添った充実したサービスを提供しています。

法テラス制度が利用できないからと諦めず、借金問題に特化した法律事務所を探してみましょう。

法テラスは条件が合えば無料相談できる!原則、お金がない方の援助だと理解して

法テラスと言えば「無料相談」や「弁護士費用の立て替え」と思い浮かぶかもしれませんが、制度の利用には収入や資産など一定の条件があります。誰でも無料になるという訳ではないので注意しましょう。

あくまで、法テラスは経済的に厳しい方の味方です。お金がなくても諦めることなく、裁判で法的トラブルを解決できるという支援です。経済的に厳しい方は、法テラスの制度を上手く活用し問題解決を目指しましょう。
閉じる
閉じる